「一時チャット」で始まるオリジナルGPTアプリを作ろう (2)
前回の記事では、VivaldiでChatGPTをPWA化して「起動したら一時チャット(Temporary Chat)」で始める方法を書いた。
今回はその続きとして、もう一段だけ実用寄りの話をする。
「いつものアプリを、いつもの配置で、一発で起動する」
これができると、地味な整列作業が減って、作業の開始が速くなる。
たとえば、左に調べ物用のブラウザ、右に少し細めのChatGPT。
このレイアウト、何度もやっているとそれなりに手間がかかる。
そこで使うのが、PowerToysの「ワークスペース」。
これは“複数アプリを、決めた配置でまとめて起動”できる機能。
つまり「配置どおりに任意のアプリを開ける便利さ」が売りだ。
この記事のゴール
今回は例として、以下のアプリ構成を「配置込み」で一発起動する。
- 左:調べ物用のブラウザ
- 右:ChatGPT(VivaldiのPWA)
決めた配置の“環境”を、必要なときに一発で呼び出すのが目的であり、「常に開きっぱなしにすること」ではないのでご注意願いたい。
なお今回は「PWAで作ったChatGPTを開く前提」なので、未設定なら先に前回記事をご一読ください。
前回記事: 「一時チャット」で始まるオリジナルGPTアプリを作ろう(1)
PowerToysのインストール
PowerToysは、Microsoftが提供しているWindows向けのユーティリティ集。無料で使える。
「標準機能に近いが、標準にはない」系の便利ツールがまとまっていて、使う人には刺さる。
今回使う「ワークスペース」は、その中の1機能。
開いているアプリとウィンドウ配置を“スナップショット”として保存し、あとから同じ状態を呼び出せる。
PowerToysはMicrosoft Storeからインストールできる。
Microsoft Storeが使えない場合でも、以下のページからインストール可能。
https://apps.microsoft.com/detail/XP89DCGQ3K6VLD?hl=ja&gl=JP&ocid=pdpshare
インストールが完了したら、PowerToysを起動して次へ。
ワークスペースの作成
ワークスペースの有効化
PowerToysを開いたら、左メニューから以下を選ぶ。
ウィンドウとレイアウト → ワークスペース
この画面で、まず「ワークスペースを有効にする」をオン。
次に、下の「エディターの起動」をクリックして、ワークスペース エディターを開く。
※「アクティブ化のショートカット」は任意。設定すると、ショートカットキーでエディターを呼べる。
配置を記憶させる
すると「スナップショット作成者」のような画面が出てくる。このタイミングで「いま開いているアプリ」と「配置」を記録する。
並べたいアプリを開いて、好きな配置にする
まずは普通に、アプリを開いて並べる。
今回は例として、左にブラウザ、右にChatGPT(になる予定のウィンドウ)という配置にした。
ここで「ChatGPTがPWAとして開けているか」は気にする必要はなく、自分が使いやすい幅・位置に配置できているかだけ気にすればよい。
「キャプチャ」でスナップショットを取る
配置ができたら、スナップショット作成者の「キャプチャ」をクリック。
これでPowerToysが「このアプリを、この位置とサイズで起動する」を記録する。
余計なアプリが混ざっていたら消す
キャプチャ後にアプリ一覧が表示される。
キャプチャ時に別アプリを開いていると一緒に登録されることがあるので、不要なものは削除して、起動したいアプリだけにしておく。
なお、ワークスペースをワンクリックで起動したいなら、右下の「デスクトップショートカットを作成」にチェックを入れておく。
このショートカット、使い始めると地味に便利である。
大事な設定1:ChatGPTをPWAとして開くための引数
ここまで好きなアプリを好きな配置で開く設定をしたが、実はここまでの設定だけでは、「ただのブラウザ起動」になりやすい。
なぜなら、見た目上は「右にChatGPTが開いている状態」でも、ワークスペースからすると、それは“ブラウザが起動しているだけ”という扱いになりやすいからだ。
よって、ワークスペース側で「ブラウザを、どの起動オプションで開くか」を指定してやる必要がある。
一番確実なのは、すでに動いているChatGPT PWAのショートカット設定をそのまま使う方法。
- スタートメニューでChatGPT(PWA)を探して右クリック
- 「ファイルの場所を開く」
- 表示されたChatGPT(PWA)を右クリック
- 「プロパティ」を開く
リンク先は、だいたいこんな形になっているはず。
"C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Vivaldi\Application\vivaldi_proxy.exe" --profile-directory=Default --app="https://chatgpt.com/?temporary-chat=true&q=%20"
このうち、ワークスペース側の設定で必要なのは実行ファイル(.exe)以降の文字列。
--profile-directory=Default --app="https://chatgpt.com/?temporary-chat=true&q=%20"
※「一時チャット」を使わないなら ?temporary-chat=true を外す。
※&q=... は「起動した直後に、入力欄へ入れておく文字」を指定するパラメータ。
%20 はURLエンコードされた「空白1文字」なので、q=%20 は“空欄に近い状態”で起動したいときに入れているだけ。
完全に何も入れたくないなら &q=%20 の部分は丸ごと削除してよい。逆に、起動時に定型文を入れたいなら q= の後ろを差し替える(例:q=要約して)。
大事な設定2:ワークスペース側に貼り付ける(CLI ※コマンドライン引数)
ワークスペース エディターに戻る。
アプリ一覧から「右側で起動したいほう」(ChatGPTにしたいほう)をクリックすると設定が出るので、
「CLI」または「コマンドライン引数」の欄に、先ほどの文字列を貼り付ける。
--profile-directory=Default --app="https://chatgpt.com/?temporary-chat=true&q=%20"
左側の普通のブラウザも任意のWebページを開くようにしたければ、そのURLをCLIに設定しておこう(ブラウザによって書き方が違うので、まずは右側のChatGPTを優先でよい)。
最後に右下の「ワークスペースの保存」をクリックして完了。
※左右ともブラウザだと、一覧上では同じ名前に見えることがある。
どちらが右側(ChatGPT側)か分からない場合は、一覧の項目にマウスポインターを合わせると詳細が出るので、それで判断できる。
保存して起動テスト
では作成したワークスペースを起動してみよう。
デスクトップショートカットを作ったなら、それをクリック。
うまくいけば、
- 左:ブラウザが指定位置で開く
- 右:ChatGPTがPWAとして(任意で一時チャットで)開く
はずだが……
できた!
ついに、一発起動できる“なんちゃってGPTブラウザ”の完成だ(笑)
まとめ
ワークスペースの価値は
「アプリセット」と「配置」を、まとめて再現できる
これに尽きる。
ChatGPTを右に置くのは相性の良い例だが、PWAは内部的に“起動オプション付きのブラウザ”として扱われる。
そのためワークスペース側にも引数を入れる必要がある。面倒ではあるが、ここは仕様として割り切るのが早い。
なお、記事内の画像でお気づきの方もいらっしゃるだろうが、使用しているのはVivaldiブラウザだ。
Vivaldiならもっと簡単な方法で、かつ便利に使えるやり方もある。それはまた後日記事にしようと思う。(最初からこれを使えばよかった……)
