Vivaldiで「擬似GPTブラウザ」を作った話


「GPTブラウザ、早く来ないかな……」と思ってから、気づけばしばらく経った。

待つのが苦手なので、いま使ってるブラウザ(Vivaldi)で“それっぽい体験”を先に作ってみた。

この記事でやること

  • いま見ているページの本文を選択してコピー
  • 右側のGPT(ウェブパネル)を開く
  • その入力欄に貼り付ける

これをワンキーでやる、という試み。
だいぶ力技だけど、体感はかなり「擬似GPTブラウザ」になる。(大事なのは、ちゃんと動くこと。)

そもそもVivaldiとは?

Vivaldiは、設定項目が多くて、ブラウザの操作や見た目をかなり細かく変えられるブラウザ。
例えば次みたいなことが標準でできる。

  • 画面端にWEBページをミニ表示(ウェブパネル)して常駐
  • ブックマークやURLバーなどを縦表示にできる
  • 複数の操作を順番に実行する「コマンドチェイン」(ミニマクロ的なやつ)を作れる
  • キーボードショートカットも自由に割り当てられる

今回はこの機能を組み合わせて、「読む → その場で訊く」の往復を短くする話。


なぜ作ったか:読む→訊く→理解を一瞬で

GPTとブラウザの往復、正直めんどくさい。

「これをもっとテンポよくできないもんか……」

ということは前から思っていたが、まあ後回しにしていた。

例えばこんな場面で便利。

  • 仕様書やドキュメントを読んでいて「話長い。端的に言って」と要約したい
  • 「ホントかよ……」というときに、ざっくりファクトチェックしたい
  • 「説得力あるけど、落とし穴ない?」を先に潰したい

普通なら、コピーして、ChatGPTを別タブで開いて、貼って、質問して……と地味に手順が多い。
この“地味”が積み重なると、最後は「まあいっか」で理解が浅いまま終わる。
だから質問までの距離を短くする。


今回使ったVivaldiの機能

1) ウェブパネル

ブラウザ画面の端に、別のWEBサイトや機能を常駐しておくための機能。
似た仕組みはEdgeやOperaなどにもあるので、見たことがある人もいるかもしれない。

ただ、今回みたいに「ページをコピーして、そのままGPTに貼り付ける」までを一気にやろうとすると、ウェブパネル単体だと少し足りない。

そこで次に紹介するコマンドチェインが効いてくる。

ウェブパネルにChatGPTを置いた瞬間、「これ、やれるな」と思ったのが今回のきっかけ。
(たぶん多くの人が一度は想像するやつ。)

ひとまずこれで「別タブのGPTを探してクリックして……」が消える。

2) コマンドチェイン

コマンドチェインは、言葉どおり「Aをやったら、次にBをやって、最後にC」という操作の並びを作る機能。
ミニマクロ、くらいの理解でOK。

今回は「見てるページをコピー → ウェブパネルのGPTを前面に出す → GPT入力欄に貼り付け」までをまとめて自動実行するチェインを作る。

ウェブパネルの表示だけでなく、コピー&貼り付けまで一気に自動化できるのがVivaldiの強いところだと思う。

3) キーボードショートカット

ショートカットキーは、いま作ったチェインを呼び出すための起爆スイッチ
例として自分はこうした。

  • Shift + G:クイックGPT実行
  • Shift + E:クイックGPT終了

クイックGPT終了は、GPTを出しっぱなしで使うなら不要。
(設定した自分も、正直あまり使っていない。)


手順1:ウェブパネルの設定

まずはウェブパネルを設定する。

GPTのページを表示して、それをウェブパネルに登録するだけ。
おすすめは「一時チャット」にしてから登録すること。

通常モードのGPTをウェブパネルに登録して使うと、新規の会話がどんどん溜まっていく。
目的が「ちょっと聞きたい」だけの場合、履歴が増えるのは地味に邪魔になる。
一時チャットONの状態で登録しておくと、ライトに使いやすい。

GPTにはAutoモードやThinkingモードなどもあるので、好きなモードにしてからウェブパネルとして登録すると良い。

登録方法は簡単。
好きなモード表示のGPT画面で右クリックして表示されるコンテキストメニューから進める。
「ページを......に追加」という項目があるので、その中の「ページをウェブパネルとして登録」を選択するだけ。

(ちなみに、ウェブパネルに登録すると「ウェブパネル1」という名前で登録されるようだが、これを変更する方法はわからない。
いまのところそういうことはできなさそうなので、アップデートに期待。)


手順2:クイックGPTのコマンドチェインを作る

次に、コマンドチェインを作る。

Vivaldiの設定に「クイックコマンド」という項目がある。
その下のほうに「コマンドチェイン」があるので、チェインの名前を入力して、あとは順番にコマンドを追加していくだけ。

自分が作成したコマンドチェインの流れはこれ。

  1. ページにフォーカス(いま見ているページを操作対象にする)
  2. すべて選択(ページ本文を全選択)
  3. コピー(選択した内容をコピー)
  4. 遅延:50ms(コピー直後にほんの少し待つ)
  5. ウェブパネル 1(ウェブパネルに登録したGPTを開く)
  6. 遅延:500ms(ウェブパネル側の表示が落ち着くまで待つ)
  7. パネルにフォーカス(ウェブパネル側を操作対象にする)
  8. 貼り付け(コピーした内容を貼り付ける)

「フォーカス」とは

フォーカスとは、画面上でいま操作対象になっている場所のこと。
入力欄でカーソルが点滅していれば、そこにフォーカスが当たっている。

もし別の場所にフォーカスが当たっている状態で貼り付けをすると、意図しない挙動になったり、無反応だったりする。

だから今回のコマンドチェインでは、次の2回だけフォーカスを明示的に切り替えている。

  • ページにフォーカス:「すべて選択」「コピー」の対象を、いま見ているページ本文に固定するため
  • パネルにフォーカス:「貼り付け先」を、右側のGPT(ウェブパネル)に固定するため

遅延とは

遅延は「次の操作に進む前に、ほんの少し待つ」ためのもの。
ウェブパネルは命令した瞬間に完全表示されるとは限らないので、先走ると失敗しやすい。

具体的には、表示や描画が終わる前に次へ進むと、こんなことが起こりうる。

  • フォーカス移動が間に合わない
  • 貼り付けが別の場所に行く
  • チェインが途中で失敗する

なので遅延は「表示が落ち着くまで少し待つ」という、大人の余裕。
単位はミリ秒(ms)で、500ms=0.5秒。

PCが速いなら短くしてもいいが、まずは安定優先が無難。


手順3:ショートカットを割り当てる

最後に「クイックGPT」を実行するショートカットキーを設定する。
押しやすくて、他と被らないものが良い。

自分はShift+G(GはGPTのG)がわかりやすいので、これにした。

設定場所は、Vivaldiの設定にある「キーボード」の下のほうに「チェイン」があるので、そこで割り当てる。
ここは画面を見ればだいたい分かるタイプなので、迷ったら「チェイン」という見出しを探せばOK。


注意点:ウェブパネルは開いても「プロンプト入力欄にカーソル」が来ないことがある

手順3までやったら、あとはショートカットで実行するだけ……のはずだが、そう簡単でもない。

実はVivaldiでウェブパネルを自動表示しても、GPTの入力欄にカーソルが入っていないことがある
つまり、開くだけ開いたものの、フォーカスが別の場所に当たっていることがある。

ここは改善ポイントだが、いろいろ試しても自分の環境では完全には解消できなかった。なので、次の回避策が必要。

  • マウスで入力欄をクリックしてCtrl + Vで貼り付け
    ⇒ショートカットでチェインを実行したらコピーまではできているはずなので、あとは入力欄に貼り付ければいい
  • F4でウェブパネルを一度消して、もう一度F4で表示する
    ⇒Vivaldiの初期設定では、F4がウェブパネルの表示/非表示の切り替えに割り当てられている。
    いろいろ試した結果、F4を2回押して「非表示→再表示」にすると、入力欄がアクティブになっていることが多かった。
    入力欄でカーソルが点滅していたら、Ctrl+Vで貼り付ければOK。

オリジナルGPTブラウザ……いざ実行!

ちょっとだけ癖(=フォーカス問題)を残しつつも、実際に動かしてみる。

とりあえず適当な英語の画面を表示して……Shift+G

私「英語読めない。翻訳して」

GPT「OK」

おー、翻訳してくれた。
翻訳してくれたけど、読む気は……あとで出す。

というわけで今回は、「みんなが想像するGPTブラウザって、たぶんこういうやつだよな」という解釈で、無理やり形にしてみた。

  • 見ているページを前提に
  • その場で質問して
  • その場で理解を進める

フォーカスがうまく合わない問題は残るが、VivaldiのウェブパネルにGPTを登録して常駐させるだけでも十分価値はあると思う。

そう考えると、「別にコマンドチェインを無理に使わなくてもいいな」という本末転倒な気持ちも湧くが、
「早くGPTブラウザっぽいのを使いたい」とヤキモキしているなら、先にこれを試してみてほしい。

“待つ時間”が、ほんの少しだけ楽になるはず。

Next Post Previous Post