チームみらい政策まとめ(産業編)
産業の成長を、暮らしに還元するための“稼げる構造”づくり
日本の技術力を土台として「稼げる」産業に軸足をシフトし、世界に誇れる日本の産業を生み出す。
AIを今後の日本経済の成長のカギと位置づけ、重点分野での産業競争力強化と産業の新陳代謝を図るため、官からの支援内容・体制を充実させる。
あわせて、成長の恩恵を働く人々へ行き渡らせる取り組み、重点分野への投資、テクノロジーを用いた社会課題解決への重点支援、ルール形成・標準化への関与を進め、経済・産業の成長が生活に還元される仕組みを作る。
具体的には……
- AIを今後の日本経済の成長のカギと位置づけ、全分野的な社会実装と効果的な利活用を推進し、単なる効率化にとどまらず働く人の能力を拡張して付加価値や生産性を高める。
- AI・ITも活用して支援の方策の効率化と高度化、利便性の向上を図り、広く深い支援を実現して確実な成果に結び付けるとともに、リスキリング支援や賃上げに向けた取り組みを推進する。
- テクノロジーを用いた社会課題の解決を重点的に支援し、官民連携による生活の質向上と産業の育成の両立を図る。
- 重点分野への積極投資とリソースの集中により、新たな産業の育成と今後の経済成長の種まきを進める。
- ルール形成・標準化に積極的に関与し、日本企業の国際競争力確保に資するグローバルルールの構築を目指す。
日本の産業の課題とチームみらいの政策(①すべての企業のAIシフト)
AI導入が進まず、PoC止まりと人材不足が重い
- 第3のIT革命である生成AIを導入した企業は少なく、市場の熱気と日本企業との間に隔たりがある
- AIを導入した企業であっても、その多くが本番導入に至っていない。
- IT人材が大幅に不足するなか、「AIプロダクトマネジャー」や「データエンジニア」が非常に少ない。
- 情報セキュリティへの懸念やAIの理解不足から、AIの活用・導入をためらう企業が多い。
- ITインフラの不足や古いシステムへの固執もAI活用の障壁になっている。
じゃあどうする......
産業全体のAIシフトを“本番導入”まで走らせる
AI導入に対する財政・税制上の支援
- 中小企業のAI関連投資(設備・ソフト・研修)に、特別償却または税額控除を導入
- 大規模開発は、出口戦略や投資対効果見積もりを専門家派遣などで支援
- 本番導入を条件に、財政によってクラウド利用料や外部パートナー費用を支援
AI時代に対応したリスキリング支援
- 基金創設も念頭に、年間100万人規模の支援を目標にAI関連のリスキリングを支援
- AIやデータ人材に限らず、中小企業や地方企業の社員を中心に重点分野に関するリスキリング支援を強化
AI導入時の情報管理体制構築支援
- 情報管理ガイドラインを策定し、セキュリティ対策の実施を支援
日本の産業の課題とチームみらいの政策(②AI・ITによる便利で効率的な産業支援)
支援制度は多いのに使いにくく、成果の見える化も弱い
- 補助金や助成金の情報は多いが制度ごとに窓口や書式が違っているため、自社に合う制度を探しにくく締切にも間に合わないといった企業が出やすい
- 海外展開支援においてもデジタルツールはあるものの、実務はメールやPDFが中心で最新技術の活用が限定的である
- 支援が申請、受領で終わっており、効果や支援規模の見える化や検証が不十分
じゃあどうする......
支援制度をデジタル化し、使いやすさと効果検証を一体で進める
支援制度のデジタルワンストップ化
- 政府、自治体、JETROの支援メニューをAPIで統合し、AIが企業の財務データや事業計画を解析して最適な制度を提案
- e-TAXやインボイスデータと連携し、申請書類の90%以上を自動入力できる仕組みを整備
海外展開支援のフルデジタル化
- J-Bridgeを拡張し、AIマッチングによる商談先リスト作成、自動翻訳、国別規制チェックを一つの画面で完結できる形へ整備
支援効果の見える化
- 各種補助金、助成金の投資額や支援効果の見える化や検証
- 支援制度の妥当性や支援規模を見直し、時流に即した最適な支援制度の提供を実現
日本の産業の課題とチームみらいの政策(③自動運転をはじめとする最先端テクノロジーの社会実装)
技術の進歩に制度と実装が追いつかず、社会課題解決型ビジネスも育ちにくい
- ドローン配送や空飛ぶクルマ、生成AIなどの普及にあたり、許認可や安全基準の見直しが縦割りで改正にも年単位を要すことで産業と規制のギャップが生じている。
- 日本の強みである自動車産業はEVや自動運転へシフトしているが、自動運転の実装では他国に比べて遅れている。
- 福祉、医療、地域交通などの社会課題解決型のビジネスは様々な課題を解決できる可能性を持つが、官の支援不足で市場で収益化しにくい。
じゃあどうする......
実証から事業化までを一気通貫で支え、最先端テクノロジーの社会実装を進める
自動運転をはじめとする最先端テクノロジーの実証特区の実現
- 住民、事業者、行政、学術界が参加できるオンラインツールを整備
- 実装に向けた課題や走行ルートの安全基準など具体的な内容まで踏み込んだ議論と合意形成を推進
- 社会課題に対して複数のアプローチを実行できる仕組みにするため、特区制度自体の見直しを検討
- 産官学や多機関を連携させる役目となる機関を設置し、技術実証から事業化までを一気通貫で支援する体制を整備
課題解決型ビジネスの支援
- デマンドタクシー、遠隔地の医療提供、単身者の見守りなど、社会課題解決に関わるビジネスを後押し
- 市場で貨幣価値化しづらい社会価値の提供を踏まえ、安定的に報酬が支払われる仕組みを整備
- 技術進歩に合わせた法規制や保険制度の確立とデジタル基盤の整備を推進
日本の産業の課題とチームみらいの政策(④重点分野への選択と集中と柔軟な投資)
財政支援はあるが、投資判断の遅れや規模不足で成果につながりにくい
- 予算措置や官民ファンドなど多様な財政支援は実施されているが、投資判断の遅れや投資規模の不足により十分な成果につながっていない。
- AI分野において、計算資源の確保や国産LLMの強化が課題として残っている。
じゃあどうする......
重点分野への投資を再編し、判断の速さと投資効果を高める
官民ファンドの整理・見直し
- 重点分野ごとに官民ファンドを再編、集約し、世界標準の資本規模を確保
- 海外の機関投資家や年金マネーを呼び込める厚いリスクマネーを形成
インテリジェンス・プラットフォームの共通化
- 市場動向、技術トレンド、地政学リスクをリアルタイムで集積する基盤を産官学連携で整備し、将来予測や政府の投資判断の精度とスピードを高める
- 政府統計などデータを連携し、AIも活用した分析で経済状況を常時観測する体制を整備
AI基盤の強化
- 国内データセンター整備を後押しして、計算資源を確保
- 共同開発を連携する体制をつくり、予算を含む支援体制を充実させることで、競争力のある国産LLMの共同開発を後押し
日本の産業の課題とチームみらいの政策(⑤国際標準・ルール形成による国際競争力の強化)
国際標準の主導権を取りにくく、国内の標準化体制も分散している
- ISOやIECなどの国際標準化会合で日本人議長数が他国より少なく、専門家派遣も企業の自費負担が多いため、ルール形成で主導権を取りにくい。
- 産業技術総合研究所、JISC事務局、業界団体が個別に動き、横断的な戦略立案や資源配分が弱い。
- カーボンフットプリントやESG開示、取引先を含む供給網のリスクチェックなどの分野では欧州が先行し、日本企業は後追いになりやすい。
じゃあどうする......
重要分野のルール形成を産官学で進め、標準化体制と人材派遣を強化する
AIやサステナビリティなど重要分野でのルール形成の推進
- AIの安全性確保やカーボンニュートラル、生物多様性など重要分野で産官学横断の対応体制を構築して、日本企業が優位に立てるルールの整備を推進
標準化研究機関の強化
- 国内の官民標準化機能を統合し、横断戦略や資金配分を一体で統括する体制を整備
- 環境、デジタル、ヘルスなど重点10分野に専任チームを配置して、国際会議への議長級人材の計画的な派遣を推進
- 財政支援を強化し、国際競争に挑めるルール形成機関の構築を後押し